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 はじめに

 本書は、爆発物・生物兵器・化学兵器・核兵器などの攻撃に対し、私たち一般市民がどのように身を守ったらよいのか、できるだけ具体的な対策手段をコミックでまとめたものです。
 現在の日本で一般市民を対象にした殺傷兵器が無差別に、しかも大規模に使われる状況など、あまりに想像しにくいかもしれません。しかし決して夢物語ではないのです。
 北朝鮮が多くの弾道ミサイルをわが国に向けているのは周知の事実ですし、しかも大量破壊兵器の保有を公然と認めています。
 さらに国際テロリストからは、自由主義陣営の中の弱き鎖として日本が狙われる可能性もあります。9・11テロ以降、各国でテロリズムへの対応が従来よりずっと厳しくなりましたが、それでもテロ事件は世界中で続き、2006年8月に英国で摘発された旅客機同時爆破テロ計画からわかるように、大型テロ作戦も止むことを知りません。
 私たちが日々の平穏な生活を望むのと同じように、紛争や戦争、そして市民のパニックを望む人々が世界には少なからず存在することを認識すべきでしょう。彼らが口先の脅しだけでなく、実際の攻撃を仕掛けてこないとは誰も断言できないのです。
「平和を欲する者は戦いに備えよ」という格言があります。国家やテロリストによる精神的・物理的な攻撃を受けた際、私たちが被害を可能な限り低くし、動揺と混乱を防ぐには、日々の心構えと適切な知識で対抗するしかないのです。


目 次
はじめに

第1章 爆弾テロに備えろ!
第2章 BC兵器から身を守れ!
第3章 死の灰から逃がれろ!
第4章 サバイバルを楽しもう!
第5章 サバイバルも体力だ!
第6章 応急処置をマスターする!



小松直之(こまつ・なおゆき)
1965年秋田県生まれ。演劇研究生・映像制作スタッフ等を経て、94年、月刊「コミック・アレ!」(マガジンハウス)でマンガ家に。近年はミリタリー・武道関係の挿絵や体験レポートなどを手がける。マンガ単行本に『電脳巡警』全3巻(マガジンハウス)、『イッテイ・13年式村田歩兵銃の創製』(四谷ラウンド/原作:兵頭二十八)。

平山隆一(ひらやま・りゅういち)
1953年、栃木県生まれ。学生時代からの射撃とアウトドア行動熱が高じて78年に渡米。以後、アリゾナ、テキサス、カリフォルニアなどに住みながら北米大陸を中心にバックパッキングの旅を続ける。89年に帰国。これまで、多様なアウトドア行動に対応できるよう、さまざまなトレーニング法を実践、調査してきた。著書に『軍隊式フィットネス』『ホームトレーニング100』『フィールドモノ講座』『ツールナイフのすべて』『徒手格闘入門』(いずれも並木書房)がある。