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はじめに

 海上における戦いは、人間が武器を持って船で移動するようになった時から始まったとされる。はじめは海賊と海軍の境界線はあいまいで、船も兵士を運ぶだけだったが、やがて大砲を据えて武装するようになると軍艦としての進歩が始まる。戦いを制するために様々な戦法が編み出されたが、多数の軍艦で陣形を組んで戦うようになると艦隊としての戦術が発達する。
  その進歩は、風まかせの帆走海軍の時代においては、陸戦に比べて遅れたものだった。距離を行軍歩数に換算できる陸軍に比べ、海軍では距離を日数に換算できなかったからだ。しかし、蒸気機関が導入され汽走海軍になると進歩は早まった。迅速に移動し、洋上で長期間にわたり作戦を展開できる海軍は、戦闘だけではなく外交の一手段としても活用されるようになる。それは海洋国家の自然なふるまいだったが、大陸国家も海上の覇権争いに加わるようになると同様に海軍を活用し、それぞれの国家戦略と海軍戦略を競い合うことになった。
  本書は、大航海時代から現代までの海上覇権の興亡をたどり、海上貿易や漁業、技術革新や海洋法などとの関係も含めて海軍戦略の発展の歴史を描き出すことをめざしている。
  日本は、近代になって軍艦も制度も兵術思想もすべて丸ごとイギリスなどから輸入して海軍というものを建設した。そこからスタートした先人たちはみごとな日本の海軍を作り上げたが、太平洋戦争に敗れて国土を灰燼にし、心血を注いだ帝国海軍を73年あまりで消滅させてしまった。
  戦後、日本は軽武装路線で米国との同盟を選択し「西側の一員」として冷戦を戦った。ソ連の封じ込めには米海軍を中心とする西側海軍が大きな役割を果たし、米ソの軍拡競争はついにソ連の国家経済を破綻に追い込む。冷戦が終結してソ連海軍が崩壊すると、西側諸国は「平和の配当」とばかり軍備の縮小を急いだ。世界の海上貿易は拡大し続けたが、海軍が主役となるような大きな国際紛争もなかったため、シー・パワーの重要性も低下したかに思われた。
  しかし、中国の台頭と急速な海洋進出を受け、米中の大国間競争が本格化すると、シー・パワーは再び大国の覇権争いの主役となった。「シー・パワーの時代」の再来だ。
  アメリカの国力が低下する一方で、中国が台頭しロシアが復活した。北朝鮮の脅威も相変わらずだ。このような国々に囲まれた日本は、日米豪印四カ国の「クアッド」やNATO諸国との連携を強めて「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指している。
  2022年は海上自衛隊創設から70周年にあたるが、ロシアのウクライナ侵略という第二次世界大戦後最大といわれる危機の只中にある。帝国海軍の歴史を超えて海の平和を守っていくために500年の歴史から何を学ぶか、海上覇権の興亡をたどりながら考えるのが本書の目的である。堂下哲郎

 

●目次

はじめに 1

序 章 海と海軍とシー・パワー 17

  海の特質 17

コミュニケーションの場としての海/資源の供給源としての海/軍事活動の場としての海

  海軍とは 19

海上戦闘の起源/海軍の始まり

  シー・パワーとは何か 21

マハンは「シー・パワー」の元祖か?/日本における「シー・パワー」の理解/現代における「制海」/制海・海域管制・海域拒否

第1章 大航海時代 27

  ポルトガルとスペイン 27

イベリア半島から始まった大航海時代/ポルトガル海上帝国/ローマ教皇による世界領土分割/太陽の沈まぬ帝国/オランダ・イングランドと日本との出会い/植民地のパターン
   大航海時代と戦国時代の日本 32

中国の「海の帝国」/戦国時代の日本とアジアの海/スペインの明国征服論/秀吉の明国征服構想/台湾をめぐる争奪戦/オランダとイングランド/日本が植民地にならなかったわけ

第2章 新興海洋国家オランダとイングランド 37

  オランダとイングランドの海上発展 37

ニシン漁で発展するオランダ/海乞食党──オランダ海軍の源流/オランダ存亡の危機/イングランド海軍の源流/ヘンリー八世──戦闘艦隊の創設者/エリザベス一世──海外発展の黎明/アルマダの海戦/アルマダの海戦その後

  繁栄するオランダ海上帝国 45

英国の伝統的戦略の形成/エリザベスの死と英国海軍の衰退/オランダの転機/敵国オランダ──スペインの命取り/驚嘆すべき海外進出/オランダ海上帝国/オランダ経済の躍進/オランダ──世界の商業の中心となる/忘れられたダウンズ海戦

  オランダの衰退 52

忍び寄る衰退の影/英国人の疑問/国際法理論と力の裏付け/英国海軍の再建

第3章 英仏のオランダ潰し 55

  イングランドのオランダ潰し 55

オランダ潰しの航海条例/戦備も戦意もないまま開戦へ/オランダの弱さ/第一次英蘭戦争/オランダの復興──王政復古/第二次英蘭戦争

  フランスのオランダ潰し 60

フランスの敵意/お粗末なオランダの臨戦準備/第三次英蘭戦争/オランダ窮地を脱する──名誉革命/イングランド海軍の発展/オランダの衰退──戦争でなく経済

第4章 英仏抗争──パクス・ブリタニカへの道 65

  英仏抗争の始まり 65

フランスとの長期戦争/イギリス王位継承戦争/ハーバートの艦隊保全主義/「大陸派」ウィリアム三世の功績/イスパニア王位継承戦争/フランスの通商破壊戦/英国の海上での優位獲得

  英仏抗争──大英帝国への歩み 70

オーストリア王位継承戦争/七年戦争──ピングの銃殺刑/イギリス海軍の戦意の低下と硬直化/「艦隊戦術準則」の弊害/「海洋派」ピットの登場/カナダとインドの獲得/世界大戦の勝利──大英帝国へ

  アメリカ独立戦争 75

初期の海上作戦/フランス参戦後の海上作戦/チェサピーク湾の制海権/セインツの海戦──敵戦列の突破/イギリス海軍の敗因/ピットの建艦政策

  フランス革命戦争 78

英仏抗争の最終段階の始まり/イギリスの苦境/ナポレオンエジプト遠征軍との戦い/ネルソンの「命令無視」/ナポレオンのイギリス侵攻作戦/トラファルガー海戦/大陸封鎖令とナポレオンの没落/パクス・ブリタニカの到来

第5章 パクス・ブリタニカ 84

パクス・ブリタニカとは/自由貿易主義への転換/帆船から蒸気船へ──海運業の発展/戦略的要衝の獲得/非公式の帝国/海軍の役割の変化──砲艦外交/二国標準主義の始まり/地中海の海上勢力/パクス・ブリタニカ下の大西洋/パクス・ブリタニカを維持できた理由

第6章 帆船の発達と戦術 94

  帆船の発達 94

帆船時代の軍艦の発達/シー・パワーと木材の確保

  帆船の戦術 97

海上戦闘方式の発達/戦術準則の確立/信号システムの改良/通商破壊戦の意義/私掠船、フリゲートと護送船団

第7章 ネイヴァル・ルネッサンス 104

  技術革新の時代 104

産業革命の影響/ネイヴァル・ルネッサンスの始まり/蒸気機関とスクリューの導入/炸裂弾とアームストロング砲の登場/装甲と装甲艦の誕生/通信、信号の技術革新/石炭から石油へ/巨大総合兵器メーカーの形成

  軍艦の進歩 110

軍艦の機能分化と装甲艦の進歩/装甲艦の優位確立/近代戦艦の誕生/大艦巨砲主義への道─日本海海戦/ドレッドノート革命/巡洋艦の変遷/水雷兵器の発達/水雷艇、駆逐艦の登場/水中兵器の威力──フランス青年学派/潜水艦の登場と発達

第8章 新興海軍国ドイツ 118

ドイツ海軍の誕生/後発の帝国主義国家ドイツ/カイザーの海軍/ティルピッツの「リスク主義」/「艦隊法」と建艦競争/ド級戦艦の登場と建艦競争の激化

第9章 新興海軍国アメリカ 124

  アメリカ海軍の誕生 124

海軍の廃止と再建/ジェファーソン軍縮とトリポリ戦争/1812年戦争とアメリカ海軍/ナポレオン戦争後の海軍政策論争/海軍組織の発達/南北戦争におけるアメリカ海軍/進歩から取り残されたアメリカ海軍

  海洋国家アメリカの建設 129

ニュー・ネイヴィー建設とマハン/海洋国家としての発展/米西戦争─植民地帝国の仲間入り/フィリピンの獲得と日米接近/ローズヴェルト──現代アメリカ海軍の父/棍棒外交/ハワイの海軍基地化/パナマ運河の建設

第10章 新興海軍国 日本 137

  鎖国の終焉 137

ヨーロッパ諸国の東アジア進出/鎖国政策の変遷/アヘン戦争の衝撃/捕鯨国アメリカとの出会い/黒船来航/鎖国体制の終焉

  幕府海軍から明治海軍へ 141

幕府海軍の創設から終焉/日米修好通商条約/ロシア軍艦対馬占拠事件/幕府海軍の戦いと終焉/明治海軍──海兵隊の創設/海陸軍から陸海軍へ

第11章 日清戦争 146

  日本と清国の対立 146

眠れる獅子──清国/台湾出兵─初めての海外派兵/主権線と利益線/北洋水師来航の衝撃/難航する海軍建設/「旧式士官」の整理/海軍軍令部の独立/進まない清国海軍の改革

  日清戦争 152

グローバルな英露抗争と朝鮮半島/日清の対立と開戦の決定/豊島沖海戦と高陞号事件/黄海海戦─速射砲と単縦陣の勝利/威海衛の戦い/戦争の終結──三国干渉/福沢諭吉の海洋国家論/日露戦争への道

第12章 日露戦争 158

  日露開戦 158

義和団の乱と「極東の憲兵」/日英同盟締結/対露開戦へ/仁川沖海戦──旅順口奇襲/黄海海戦と旅順包囲戦/浦塩艦隊との戦い/日本海海戦─大艦巨砲主義への道/近代兵器の実験場/戦争の終結

  新たな日米関係 163

新たな日米関係の始まり/友好から対立へ/対日戦争計画「オレンジ計画」/グレート・ホワイト・フリート

  南進か北進か 167

北守南進から南北併進へ/帝国国防方針の制定/「用兵綱領」──軍備拡張の論拠/「八八艦隊」の登場/国力を超えた帝国国防方針/海軍と陸軍の対立

第13章 第一次世界大戦とパクス・ブリタニカの終焉 172

  第一次世界大戦 172

消極的なドイツ海軍──要塞艦隊/イギリス海軍による対独経済封鎖/ジュットランド海戦/潜水艦との戦い/アメリカの参戦/日本の参戦/ドイツの敗北と艦隊の最期/戦争ルールの変化/対潜作戦と護衛船団制度/帝国国防方針への総力戦思想の導入/国防方針第一次改定/戦略の拡大と国際的孤立の始まり

  パクス・ブリタニカの終焉 181

イギリスの海洋支配の衰退/二国標準政策とその限界/イギリス海軍と新しい戦略環境/パクス・アメリカーナへの移行/「光栄ある孤立」の終わり/フィッシャー改革と英連邦海軍創設/海洋大国アメリカの発展/パナマ運河の戦略的価値

第14章 戦間期のシー・パワー 186

  ワシントン海軍軍縮条約 186

ドイツに対する軍備制限──ヴェルサイユ条約/ワシントン海軍軍縮条約/対米7割の根拠/ワシントン体制

  国家戦略の喪失とロンドン海軍軍縮条約 191

帝国国防方針第二次改定/国防政策の迷走の始まり/日本の漸減邀撃構想/米海兵隊作戦計画712D/「導火線」となった「海の生命線」/「艦隊派」と「条約派」/ロンドン海軍軍縮条約

  無条約時代と海軍航空の発展 197

ヴェルサイユ体制の崩壊/日本海軍の軍備増強/戦間期におけるイギリス再軍備/戦間期における海軍航空戦力の発展/イギリスの海軍航空/アメリカの海軍航空/日本の海軍航空

第15章 第二次世界大戦─大西洋の戦い 204

  ヒトラーの海軍 204

大戦勃発─幻に終わった「Z計画」/ヒトラーの戦略とレーダーの戦略/通商破壊戦の開始/効果的だった機雷戦/ノルウェー攻略/Uボートの活躍

  ドイツ海軍の終焉 209

フランスの降伏と英本土上陸作戦/不利になるUボート戦/地中海の戦い/大西洋での通商破壊戦/大西洋の戦いの終わり/独ソ戦の開始と北極圏の戦い/レーダーの解任/最後の戦い

第16章 太平洋戦争への道 216

  無謀な開戦へ 216

帝国国防方針第三次改訂/海軍の軍備構想/軍備拡張競争の敗北/時代遅れの漸減邀撃構想/進化したレインボー計画/無謀な開戦へ

  開戦への道 221

大戦勃発──成立しない大東亜共栄圏/日米対立の激化──日独伊三国同盟/国家戦略の分裂/戦争指導構想/作戦構想─艦隊決戦の強要?/戦争指導の混乱

第17章 太平洋の戦い 226

  緒戦の快進撃 226

第1段作戦──ハワイ作戦/マレー沖海戦─航空機対戦艦の戦い/インド洋作戦/アメリカの対応

  攻勢作戦のつまずき 229

第2段作戦(攻勢作戦)への転移/計画になかったミッドウェー作戦/珊瑚海海戦─史上初の空母対決/転換点となったミッドウェー海戦/不足するタンカー

  国力の限界─守勢作戦 233

ガダルカナル島争奪戦/第3段作戦(守勢作戦)への移行/絶対国防圏への転換/絶対国防圏の瓦解/海軍作戦の終焉と特攻の開始/本土決戦準備と敗戦

  島嶼防衛と通商破壊戦 239

日本軍の島嶼防衛作戦/米海兵隊の強襲上陸作戦/忘れられた通商破壊戦/連続攻勢の破綻/遅すぎた海上護衛戦/太平洋戦争の根本的な敗因

第18章 海の地政学 246

  マッキンダーとスパイクマン 246

海洋国家の地政学/マッキンダーの「ハート・ランド」/マッキンダーの世界観/スパイクマンの「リム・ランド」/スパイクマンの理論/リム・ランド論の発展

  マハンとコルベット 254

地政学者としてのマハン/マハンとコルベット/マハンの中国に対する影響

第19章 冷戦の始まり─米ソの軍拡競争 257

大戦直後のアメリカ海軍/X論文とトルーマン・ドクトリン/提督たちの反乱/冷戦初期の米海軍戦略/ワイリーの順次戦略と累積戦略/ハンチントンらのマハン「再考」/朝鮮戦争/スターリンの海軍再建/ソビエト海軍拡張の基盤/フルシチョフの逆行政策と戦略論争/キューバ危機/米ソ海軍の軍拡競争/ソビエト陸軍からの独立/地中海での米ソ対立─第三次中東戦争/外洋海軍として発展するソ連海軍/パリティとなった米ソ海軍/1970年代のアメリカ海軍戦略

第20章 冷戦の終焉─ソ連海軍の崩壊 272

  冷戦下のイギリス海軍 272

原子力時代のイギリス海軍/「スエズ以東」からの撤退/フォークランド紛争

  ソ連のインド洋進出 275

インド洋における英米のプレゼンス/ソ連のプレゼンス増大

  デタント 277

デタント下のソ連海軍/デタント下のソ連の軍事外交/変化したソ連の海軍戦略/アフガニスタン侵攻──デタント終焉

  冷戦終結へ 280

1980年代の米海軍戦略─レーガン軍拡/冷戦終結──ソ連海軍の崩壊

第21章 中国人民解放軍海軍の歩み 283

  中国海軍の誕生 283

軍閥混戦時代から国民革命海軍へ/人民解放軍海軍の誕生/第一次、第二次台湾海峡危機

  毛沢東の海軍 286

「近代化・正規化」ならず/毛沢東の「二本足」戦略/アメリカによる「三線戦略」/米中接近、国交樹立/ソ連海軍のインド洋進出/南シナ海をめぐる中ソ越関係

  「現代化」する中国海軍 292

海軍建設路線の復活/外洋への進出──ケ小平の軍事路線/近海防御戦略の発展/中国の海洋戦略──戦略的国境/海洋における戦略競争/ケ小平の海軍発展戦略/多層縦深防衛戦略とその発展

第22章 海上自衛隊の歩み 298

  日本の「再軍備」298

冷戦の始まりと自衛隊創設/1次防「身の程も知らぬ過大なもの」/戦力なき軍隊/2次防─暫定型から安定型へ/3次防──海上自衛隊の基礎完成/自主防衛の頓挫と4次防/「国内政治化」した日米安保

  日米共同とシーレーン防衛 304

ニクソン・ドクトリンと日米安保の活性化/基盤的防衛力構想とGNP1パーセント枠/「新冷戦」の本格化とシーレーン防衛/日米共同の深化─大綱戦力の完成/タンカー戦争での蹉跌

第23章 冷戦後のシー・パワー 309

  湾岸戦争の衝撃 309

アメリカ海軍の戦略転換/日本──湾岸の夜明け作戦/中国──情報化条件下の局地戦争論

  日米同盟の深化と国際貢献 312

政治空白の中の北朝鮮核危機/日米同盟「再構築」/「周辺事態」への備え/戦後初の国家安全保障戦略

  中国海軍の近代化 315

第三次台湾海峡危機/中国海軍の近代化加速と「海軍ナショナリズム」/接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略

  米軍の「失われた10年」318

長かった対テロ戦争/「世界の警察官」を降りたアメリカ/米国防予算削減の影響/大国間競争に舵を切ったアメリカ

終 章 シー・パワーの時代 322

  中国の海洋進出と台湾問題 322

「マラッカ・ジレンマ」/尖閣の危ういバランス─東シナ海/南シナ海の地政学/「航行の自由作戦」と中国の「リスク戦」/一帯一路/半世紀ぶりの台湾政策見直し

  ロシア海軍の復活 328

ソ連時代の海洋戦略/黒海をめぐる地政学/ロシアのA2/AD/ロシアの「エスカレーション抑止」/プーチンロシアのゆくえ

  自由で開かれたインド太平洋 332

なぜインド太平洋か/日米豪印の連携「クアッド」/NATO海軍との連携/「スエズ以東」へ回帰するイギリス/NATO戦略概念の見直し

  パクス・アメリカーナのゆくえ 336

「パクス・シニカ」?/中国の「間違った戦略」/繰り返される大陸国家のあやまち/新たなシー・パワーの結束へ

おわりに 342
主要参考資料 345
資料「関係年表」353

堂下哲郎(どうした・てつろう)
1982年防衛大学校卒業。護衛艦はるゆき艦長、第8護衛隊司令、護衛艦隊司令部幕僚長、第3護衛隊群司令等として海上勤務。陸上勤務として内閣危機管理室出向、米中央軍司令部先任連絡官、海幕運用2班長、統幕防衛課長、幹部候補生学校長、防衛監察本部監察官、自衛艦隊司令部幕僚長、舞鶴地方総監、横須賀地方総監等を経て2016年退官(海将)。米ジョージタウン大学公共政策論修士。現在、日本生命保険相互会社顧問。著書に『作戦司令部の意思決定─米軍「統合ドクトリン」で勝利する』『海軍式 戦う司令部の作り方─リーダー・チーム・意思決定』(並木書房)がある。