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目 次
 はじめに 1
 
 序章 中国という災厄が日本を襲う 13

 第1章 こんなに違う中国人の感性 26
  「ゲテモノ食い」の三つの理由 26
  自然に無関心で農業が嫌い 35
  マネと秘密主義、成熟できない中国文化 59
  中国人はトラブルメーカー 66

 第2章 中国人とアメリカ人は似ている 75
  「損して得とれ」の商法はない 75
  中華文明の崩壊とアメリカ的合理主義 81
  日本人にしかない思いやり=@86
  いまどき上海人の恋愛事情と価値観 91

 第3章 中国人の生活に平穏の文字はない 104
  国家と人民、永遠に結べない「絆」 104
  中国人の命は鳥の羽より軽い 112
  上海人の不動産物語 119
  中国人とは愛を語れない 129

 第4章 台湾は中国ではない! 139
  「中国と韓国は、自分の過去をキレイにしたい人間」 139
  暢気な台湾人、意地悪な中国人 145
  華人社会の女性は稼げて一人前 152

 第5章 教育現場から見える中国の未来 162
  中国とインドの教育環境は全然違う 162
  中国の子どもはしらけたオヤジ=@176
  汎用性のない中国語は徐々に淘汰される 184

 第6章 中国は過ちを何度も繰り返す 191
  上海は二十一世紀の今も租界地=@191
  上海新デカダンス 203
  上海バブル株式市場が世界を滅ぼす! 210
  日本の援助交際=朝貢にNO! 218

 終章 虚像と妄想の中国四千年=@228

  おわりに 245



おわりに
 二〇〇七年一月から『中国人とは愛を語れない!』を書き始めた私は、実のところ、中国や中国人に関する(翻訳以外の)書籍を出すのはこれを最初で最後にしようと考えていた。
 一九八〇年代の中国留学の経験があってこそ、これまでの人生を豊かにしてきたことは確かである。中国語(漢語)を修得したことで、中国大陸、台湾を含む全世界の五分の一以上の人々とベーシックにコミュニケーションが取れるようになったわけだし、世界各国で美味しい中華料理にもありつける(メニュー選びは難しいものだから!)。また、日本という国家、日本人について考えるきっかけにもなったし、歴史認識についても自分なりの考えが持てるようになった。そもそも、留学中は大学の先生から市場のオバさんたちにまで「日本小姐(日本の女の子)」と可愛がってもらっていたのだ。
 だから私は中国に感謝をしなくてはならない!
 それなのに、いざ執筆の最中に浮かんでくるのは中国(人)のエゲツなさばかり……。
 改革開放政策が進むにつれて、人民の関心は「金儲け」へと集中し、拝金主義を隠すことすらしなくなり、国全体がいわばギラギラのカジノ状態≠ノなってしまった。「不動産ころがし、株投資、金儲けのどこが悪い?」と聞かれればそれまでだが、中国アホバカ政府の無策によりメタボリックと餓死者が急カーブで増え、十ウン億人の超・超・超格差社会になってしまったのである。
 しかも中国の食は「医食同源」どころか「毒食同源」であり、「世界の生産工場」という称号の実態とはニセモノ生産とモノマネ生産が十八番で、オリジナリティどころかモラルのカケラもない。
 そして最悪なのは日々、地球環境を猛烈な勢いで汚染し続けていることである。二〇〇八年八月に北京五輪が開催する予定だが、世界のマラソンランナーがあの最低最悪の空気の中を二時間以上走るなんて自殺行為としか思えない(肺炎になっちゃう!)。マラソンランナーでなくとも世界の超一流(&肺活量も大きな)選手らが(たとえばサッカーだって、ピッチを走りっぱなしだし)、あの劣悪な空気の中で飛んだり跳ねたり競技をするなんて! 寿命が縮まるぅっ!
 おっと、「あとがき」はしっとりと終えるつもりだったが、またヒートアップしてしまった!
 世の中には建設的な意見のないまま、ただ批判的にモノを言い放つ類の人間が大勢いる。私はそう
いった無責任な人種が好きではないし、確かに「日本小姐」から「日本中姐(?)」へと年齢こそ重ねたとはいえ、私が何かを批判したり批評できるほど大層な立場ではないとも思っている。
 ということで、この拙書の内容についてのご意見、ご指摘をいただければ大変にありがたい。真摯
に受け止め、今後の課題にしていきたい(最初で最後の中国本ではなくなるかも?)。
 そして最後に、出来上がった私の原稿を一つひとつ読んでは丁寧な感想をくださった並木書房出版部に、心からの謝意を述べさせていただきたいと思います。


河添 恵子(かわそえ けいこ)
1963年千葉県松戸市生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業。1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学へ留学。『台湾それいけ探偵団』(トラベルジャーナル)、『アジアで働く法』(学研)、『アジア企業 in JAPAN』(PHP研究所)、『台湾 新潮流』(双風舎)、『アジア英語教育最前線』(三修社)、『世界がわかる子ども図鑑』(学研)、『通じる!中国語速習ドリル』(実務教育出版)など著書多数。翻訳監修は『中国マフィア伝』(イースト・プレス)、『中国 江南』(ダイヤモンドビッグ社)。学研の図鑑“世界の子どもたちはいま”シリーズでは24カ国(24冊)、“世界の中学生”シリーズでは16カ国(16冊)をプロデュース&取材・執筆。「世界データマップ〜ふくらむ中国・インドパワー」「大集合!地球に暮らす子どもたち」(NHK)など、テレビコメンテーターや進行役での出演も多数。