『ウクライナとロシアは情報戦をどう戦っているか─誰もが情報戦の戦闘員』

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樋口敬祐著(元防衛省情報本部主任分析官)

四六判316ページ/2月7日発売
9784890634453


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発行日 :2024.1
本体価格 ¥1800


 兵器による物理的な破壊や損耗は、数字で表すことができ、目に見えるかたちで勝ち負けがはっきりわかります。しかし、情報をめぐる戦いは目には見えず、勝敗やその効果はよくわかりません。
  ロシアとウクライナの物理的に見える戦いの裏で情報を介してどのような攻防が行なわれているのか、本書はオシント(公開情報)をもとに明らかにしたものです。
  調べているうちに、戦いでは軍隊だけでなく、民間の軍事会社、情報調査会社、衛星通信会社、衛星画像情報会社、偽情報作成工場、戦争PR会社などが大きな役割を占めていることがわかりました。
  本書のメインのテーマは「ロシア・ウクライナで行なわれている情報をめぐる戦い」で、サブテーマは「フェイクニュースに騙されないための心構え」です。
  情報組織であれば、フェイクニュースは、複数の情報源によるクロスチェックや上司への報告の過程などで排除できます。しかし、一個人では相当意識していなければ、フェイクニュースを見抜くことは困難です。
  そこで本書では、最後に情報処理のノウハウを紹介するとともに、ロシア・ウクライナ戦争の事例を挙げながら具体的にその手法を解説しました。
  もちろん騙そうとする側も必死で、あの手この手を考えてくるので、フェイクニュースを見抜くのは簡単ではありませんが、本書で紹介した手順を踏んでいけば、その真贋をチェックすることは可能です。(「おわりに」より)