『ツシマ 世界が見た日本海海戦』

戻る  

ロテム・コーネル(ハイファ大学教授)著
滝川義人訳
A5判288ページ/2600
9784890634330 0031


発行日 :2023.5
本体価格 ¥2600


 ロテム・コーネルの『TSUSHIMA』は、一九〇五年の日本海海戦を包括的に描いた歴史の本である。なぜ、どのように、この海戦が始まり、大日本帝国海軍の一方的かつ決定的な勝利に終わったのか。そのいきさつと理由を巧みに記している。本書は多くの論点を提起しているが、なかでも大艦巨砲と艦隊決戦の伝統について、改めて考察する。徹底的な訓練を行ない、万全の準備を整えた帝国海軍は、その成果を十二分に発揮してバルチック艦隊を撃破し、応分の賞賛と栄光を手に入れた。しかしながら、対馬沖における決定的勝利は、歴代帝国海軍首脳の一部に、傲慢、尊大、そして硬直した態度と考え方を植えつけた。その結果、日本海軍は一九四五年、太平洋戦争の最後の日々まで、状況の変化を十分認識せず、戦略を変更して適応することができなかった。優れた歴史の語り部として、コーネルは大艦巨砲と艦隊決戦の時代を読者の眼前に蘇らせ、我々が再び海へ戻ってくるようにと招く。阿川尚之(慶応大学名誉教授)