『日本軍はこんな兵器で戦った─国産小火器の開発と用兵思想』

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荒木肇著
四六判260ページ 定価1600円+税


9784890633920

C0031


発行日 :2019.11


定価 ¥1600+税

 ある高名な文学者は、防衛大学校で学生たちに三八式歩兵銃を例にして、旧軍のように科学的精神を軽視するなと語った。時代遅れの明治時代の小銃で、第二次世界大戦を戦った戦前日本陸軍の後進性を非難したのである。しかし、これは事実と異なっている。戦後の「誤った定説」である。アメリカを除く列強の軍隊は、どの国も明治時代に開発された小銃で戦っていたのだ。また、日本軍は、精神主義で白兵戦を重視したと批判されるが、これも「誤った定説」である。実際は日清・日露両戦役とも火力重視の戦いを行なった。白兵戦を信奉したのは、清軍であり、ロシア軍だった。日本陸軍はむしろ火力主義だった。(著者の言葉)